教育産業の経済活動の側面をひとまず脇におけば、学校において、主役を担うべきは学び修める者であり、決して教え育む者ではない。
教育デザインにおける情報メディアの利活用は、このような長く続く転倒から離れ、学修者の内発性を回復させるためにある。
しかしながら、また同時に、先行する学修者としての教育者が、それぞれの専門分野で学修の動機、目標、成果を、後続の学修者に「映える」ものとすることは、学修者の内発性獲得にとって欠かせない。
今回のシンポジウムでは、教え育む者の「みせる」から、学び修める者の「みえる」までの間にあるICT利活用の企てと可能性について、学修者の内発性を浮かび上がらせ映えるものとするための、デザインにかかわる実践例と概念定義にもとづき検討する。
- AIMシンポジウム実行委員会
- producer - 伊藤 敬也
- director - 村上 雄大
- planner - 谷口 寿俊
- planner - 町支 大祐
- planner - 湯浅 且敏
展示ブースOPEN
出展企業:株式会社美術出版エデュケーショナル/トレッド株式会社/メディアサイト株式会社/株式会社ガイア‧システム‧ソリューション
11:00-18:00入場受付開始
参加受付メールに記載されているQRコードもしくはエントリーIDを受付で提示してください。
12:30INTRODUCTON
映える/POP UP
伊藤敬也
青山学院大学情報メディアセンター副所長
教育デザインと情報メディアを考えるシンポジウム2016のテーマ「映える POP UP」について解説します。
13:00-13:10OPENING SPEECH
山本与志春
学校法人青山学院 常務理事
13:10-13:15こうすると見えてくる/こうすると伝わる/こうすると分かってしまう
佐藤雅彦
東京藝術大学大学院映像研究科教授
いくら言葉や図を多く使っても伝わらないことがある一方、こんなことで伝わるんだというくらい、あっけにとられる伝え方もある。数学や物理や化学など、概して、興味を持ってもらうことさえ困難な領域でも、その本質さえ伝えることが出来れば、学習者の関心をぐっと惹きつけることが可能である。では、それをどう伝えるか。認知科学の知見や新しい映像手法を取り入れた教育方法と表現方法を披露します。
13:15-14:45Q&A
佐藤雅彦
東京藝術大学大学院映像研究科教授
「こうすると見えてくる/こうすると伝わる/こうすると分かってしまう ーコミュニケーションデザインの方法の作り方」のQ&Aの時間です。
14:45-15:15主体性を引き出すキャリアデザイン教育としての産学協同PBL
湯浅且敏
青山学院大学情報メディアセンター助教
青山学院大学では初年次教育として産学協同のPBLを実施している。この授業では企業の初任者研修やインターンシップで扱われる内容を大学一年生がグループで取り組むことで、社会人として必要な能力やスキルを学び、4年間で何を学ぶのかを意識できることを目的としている。本発表では、受講者が主体的に取り組める学習活動とICTを活用した学習環境のデザインを報告する。
15:15-15:30ICT機器を用いた教育について生徒・教員はどう思っているのか
中野秀太郎
青山学院高等部情報科教員
本校では2014年にICT機器委員会が発足してから、少しずつではあるがICT機器の拡充を行っている。本講演では、導入されたICT機器によって本校がどのような授業を行っているかを紹介しつつ、ICT機器に関して生徒や教員がどういうことを思っているのかについてお話しする。また、ICT機器を用いた教育の今後の展望についての私の考えをお話しできたらと考えている。
15:30-15:45iPad×中学生×試行錯誤
青山学院中等部社会科教諭 三好文子
青山学院中等部理科教諭 鈴木知明
生徒がイメージしにくい・抽象的で興味が湧きにくい分野において、授業者が力を入れるのは、まずは生徒の心をつかみ、その分野への興味・関心を引き出すためにあの手この手を使うところだと思います。中等部では今年度から理科に導入したiPadを用い、生徒が興味をもって主体的に学びを深められる授業を目指して試行錯誤中です。発表では、授業や学校生活における取り組みを紹介し、現状の課題と今後の目標について報告します。
15:45-16:00Digital Transformation in Education
小野田哲也
日本マイクロソフト株式会社文教本部長
4月に産業競争力会議で発表された「第4次産業革命に向けた人材育成総合イニシアティブ」、6月に閣議決定された「日本再興戦略2016」ではAI/IoT/ビッグデータ等を牽引する人材育成を目的にICT利活用教育、アクティブラーティング、プログラミング教育の重要性が指摘されている。AI/IoTを活用する数年後の働き方・教育現場の未来予想図としてマイクロソフトのFuture Visionの紹介するとともに、AI・Cognitive Serviceの研究・教育の現場での最新の活用事例を紹介する。
16:00-17:00SPECIAL PROGRAM:考える時間
伊藤敬也 / 湯浅且敏 / 中野秀太郎 / 三好文子 / 鈴木知明 / 小野田哲也
EDIM'16の登壇者たちによるディスカッションを行います。
17:00-18:00情報交換会
会場:アイビーホール4F クリノン
定員に達しました。

佐藤雅彦
masahiko sato
東京藝術大学大学院映像研究科教授
慶應義塾大学環境情報学部客員教授
「どうしたら、それが伝わるか」をテーマに、映像・アニメーション・グラフィックデザインにおける新しい表現手法を開発。脳科学の知見を基とした表現の研究など、分野を超えた活動を行っている。
- NHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」
- NHK教育テレビ「2355/0655」
- NHK教育テレビ「考えるカラス」(全て企画・監修)など
- 「佐藤雅彦全仕事」(マドラ出版)
- 「毎月新聞」(毎日新聞社)
- 「経済ってそういうことだったのか会議」(竹中平蔵氏との共著・日本経済新聞社)
- 「プチ哲学」(マガジンハウス)
- 「もぐらバス」(偕成社)
- 「差分」(美術出版社)
- 「日常にひそむ数理曲線」(ベネッセ教育研究開発センター・小学館)
- 「考えの整頓」(暮しの手帖社)など
- サントリーモルツ「うまいんだな、これが」「缶紅茶ピコー」
- 湖池屋「スコーン」「ドンタコス」「ポリンキー」
- NEC「バザールでござーる」
- JR東日本「ジャンジャカジャーン」
- TOYOTA「カローラⅡにのって」など
- プレイステーションソフト「I.Q」
- iTunesソフト「pavlov」など
- 「だんご3兄弟」(作詞)
- 「カローラ2に乗って」
- 「ピタゴラスイッチ」や「0655/2355」の番組内の歌など
- 「計算の庭」(森美術館)
- 「佐藤雅彦研究室展」(g.g.g.)
- 「君の身体を変換してみよ展」(ICC)
- 「”これも自分と認めざるをえない“展」(21_21DESIGNSIGHT)
- 「指を置く展」(g.g.g.)など
- 朝日広告賞最高賞
- ADC賞グランプリ
- 1991年クリエーター・オブ・ザ・イヤー
- 毎日デザイン賞
- スロバキア・ドナウ賞
- NHK日本賞総務大臣賞
- ニューヨークADC賞金賞
- 2011年度日本数学会賞出版賞
- 2012年D&AD賞
- 平成23年度芸術選奨受賞
- 平成25年度紫綬褒章受章
- 2014年度カンヌ国際映画祭短編部門正式招待上映など。

湯浅且敏
katsutoshi yuasa
青山学院大学情報メディアセンター助教

中野秀太郎
shutaro nakano
青山学院高等部情報科教員

三好文子
ayako miyoshi
青山学院中等部社会科教諭

鈴木知明
tomoaki suzuki
青山学院中等部理科教諭

小野田哲也
tetsuya onoda
日本マイクロソフト株式会社業務執行役員
パブリックセクター統括本部文教本部長
工学博士
株式会社美術出版エデュケーショナル
新しい体験を通して、手を使いながら考えることの楽しさを伝えるキット『DEDEkit(デデキット) 考え方のワークショップ』が、佐藤雅彦教授と木村稔助教(東京藝術大学 大学院 映像研究科)の企画・監修・アートディレクションのもと、産学協同プロジェクトとして誕生しました。今までに体験したことのない頭の使い方を提案する3つのキットをご紹介します。 美術出版エデュケーショナルは学校教育をはじめ、世代を問わず、図工・美術の持つ「作り出すよろこび」を提供するコンテンツを発信しています。
トレッド株式会社
平日は高校生、週末はクリエイター。高校生によるコンテンツ制作スタジオ「GILD」始動!デジタル撮影編集、音響デザインなどのベーシックな技術から、3DCG、VRなどの新技術、コーディングやデザインを含むコンテンツ作りを学びながら、教材や広告などのコンテンツを制作します。渋谷とオンラインを拠点に、高校生が、ゲームの中ではなく実世界で協力しあってアイデアを実現していくクリエイター集団をご紹介します。
メディアサイト株式会社
~映像のパワーを解き放つ、映像統合プラットフォーム~Mediasiteは全世界で65ヵ国、1500の大学に導入している映像収録配信システムであり、世界で最も使われているソリューションです。多動画での収録・配信に加え、TV会議システム、IPカメラにも対応しました。世界No.1シェアの経験を活かし、教育改革の支援、学習のための最適な映像活用をご提案します。
株式会社ガイア・システム・ソリューション
「エンゲージメントテクノロジーが教育の未来を変える!」エンゲージメントテクノロジーは、スタンフォード大学学生ベンチャーのSension社が開発した、エンゲージメントという人の行動の初期に現れる、潜在的な意識、感情、意思などの変化を時間的連続性の中で捉えることができる、まったく新しい概念のカメラセンシング技術です。当社では、教育分野でのエンゲージメント活用方法をご紹介します。